乳腺クリニックブレスティア たまプラーザ

お電話でのご予約・お問い合わせ
Tel.045-905-2155

妊娠・授乳期の方への乳房検査

Medical

妊娠・授乳期の方への乳房検査について

当院では妊娠期、授乳期の方でも積極的に画像検査をお勧めしております。
大きく張りが強くなった乳房への検査は痛くないのか、赤ちゃんや母乳への影響などを心配されるお母さん方もいらっしゃると思います。
妊婦さん、授乳中の方すべてにマンモグラフィを撮影するわけではありません。病気への不安、検査への不安はご遠慮なくお聞かせください。妊娠・授乳で検査をためらっていらっしゃる方はご相談ください。どんな検査を行うか一緒に考えたいと思っています。
———–以下、長文です——————————
最近、晩婚化による妊娠・出産が高齢へとシフトしていること、若い世代の乳癌への関心の高まりもあり、妊娠期や授乳期にある女性が乳房検査、検診を目的に来院することが多くなりました。その一方で妊娠・授乳期の乳房は大きく厚みが増していたり、圧迫時の疼痛などから、腫瘤の検出が困難になっているのではと懸念されています。そのため多くの検診施設では妊娠・授乳期は対象外とされて検査を断られたり、乳腺外来でもマンモグラフィはせずに乳腺エコーのみとされることが多いようです(当院も長く乳腺エコーのみとしていました)。
1)昨年、聖マリアンナ医科大学で診断された妊娠・授乳期の乳癌患者さんのマンモグラフィ、乳腺エコーの所見をまとめてみました。結果はほとんどの乳癌病変がマンモグラフィや乳腺エコーでなんらかの陰影として確認することができました。(この結果は日本乳癌学会や日本女性医学会、医学雑誌(産婦人科の実際vol.68 No.8)で発表いたしました)
2)また妊娠・授乳期における乳房画像検査のガイドラインとしてはアメリカ放射線医学会(ACR)が出しているものがあります1)。このなかでは妊娠・授乳期における画像検査を手控えることに批判的です。
1)および2)の結果から、当院では妊娠・授乳期へのマンモグラフィ、乳腺エコー検査に際しては、患者さんごとに検討し、その適否を考えています。もちろん来院時の妊娠週数、乳房の張り具合、予想される痛みなど、ご遠慮なく今の乳房の具合や不安をお伝えください。その点もしっかりと考慮したいと考えております。
(妊娠初期や強く張った乳房には、まずはエコー検査を選択しています)
 ただ検査は行えばよいというものではなく、妊娠・授乳期には診断が難しいだろうと予想される病変はありますし、検査の偽陰性・偽陽性、最終的には不必要だったと思われる検査が追加されるデメリットがあることに注意しなければなりません。
 長々と書きましたが、妊婦さん、授乳中の方すべてにマンモを撮影するわけではありません。病気への不安、検査への不安はご遠慮なくお聞かせください。
どんな検査を行うか一緒に考えたいと思っています。
1) diFlorio-Alexander RM et al : ACR Appropriateness Criteria® Breast Imaging of Pregnant and Lactating Women. J Am Coll Radiol. 15 : S263-S275, 2018